カンピロバクター腸炎とギランバレ症候群

  • 2019.06.14 Friday
  • 13:24

 ペルーでギランバレ症候群の発症が増加して緊急事態宣言が出されています。ギランバレ症候群は筋肉を動かす運動神経が障害され、全身の筋力が急速(数日〜数週)に進行し、自力で筋肉を動かすことができなくなり、時に呼吸する筋肉も動かなくなり人工呼吸器が必要になることもあります。治療により回復しますが、20%の方で後遺症が残ります。

 ペルーではこの2週間で135名の発生があったそうです。一般的には年間10万人に一人の割合で発生すると推定されています。日本の場合年間1000名の方がギランバレ症候群にかかっている計算です。2週間で135名なら、1年間で3500人が発症することになります。ペルーの人口は3200万人なので1万人に一人の割合で発生していることになります。(通常の10倍)

 ギランバレ症候群の発生にカンピロバクター腸炎が関係していることは明確に証明されています。カンピロバクターの菌体の成分とヒトの神経細胞の成分がかなり類似しており、カンピロバクターに感染したために作られた抗体が、菌を退治した後も残り続け、自分の神経細胞を攻撃するために症状が出ます。カンピロバクター腸炎にかかった方の0.1%がギランバレ症候群を発症します。

 当院で4月〜6月の2ヶ月間で20名の方をカンピロバクター腸炎と診断し治療をおこないました。平均年齢は30.8歳(最多は20代)、トリの生肉を食べて平均3.8日後(2〜9日)に急激な細菌性腸炎症状で発症しています。トリ生肉を食べたことを失念されている方も多くこちらが繰り返しお尋ねしてようやく思い出された方も少なくありません。カンピロバクター腸炎はこのような合併症を起こすこともあります。ご注意を。

コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   
<< September 2020 >>

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM