FODMAP(フォドママップ)制限法の結果
- 2019.06.01 Saturday
- 18:17
腹部膨満感、下痢で困っておられる30名の方に発酵性の糖質(FODMAP)を制限する食事療法の実践をお勧めしました。
そのうち6名の方はその後の経過は不明でした。経過が確認できた24名の方について治療効果の内容を報告いたします。
有効9名、無効15名でした。(有効率37.5%)。症状別(下痢のみ/腹部膨満感のみ/下痢と腹部膨満感)に分類すると、有効では(1名/4名/4名)、無効では(7名/4名/4名)でした。FODMAPは下痢単独では効果は弱く、腹部膨満感を主体とした症状に効果を発揮することがわかります。腸内細菌の過剰な発酵による大量のガスが症状を引き起こしているので、理屈的にも合致する結果であると思います。
無効のグループではストレスやメンタル的な要素が強い方の割合が高い傾向にありました。(有効グループ0名/9名、無効グループ5名/15名)。
原因と考えられた食品は小麦系(食パン、麺類)3名、野菜(玉ねぎ)2名、嗜好品(オリゴ糖、キシリトール)2名、乳製品1名、豆類1名でした。小麦、玉ねぎに共通する糖類はフルクタン(オリゴ糖の一種)です。小麦で症状が出る方はグルテン不耐症(麦に含まれるたんぱく質で腸粘膜に炎症を起こす)による症状の可能性もあります。
FODMAPは体に良い食品にも多く含まれています。過剰な制限は健康を害する可能性があります。可能性が高そうな食品から順に一品ずつ2週間の期間で制限してもらい、効果がなければ摂取可能と判断し継続することをお勧めしています。
ご参考になれは幸いです。
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